子どもの成長を祝い、今後のますますの発展を祈る「七五三」は、古くから日本に伝わる大切な行事のひとつです。
普段の格好とは違い、重厚な正装に身を包むこともあって家族みんなで楽しみにしているというご家庭も多いのではないでしょうか。
しかし七五三では、子ども本人だけでなく家族も服装に十分注意しなければいけません。
「七五三の参拝にぴったりな母親の服装って?」「フォーマルじゃなきゃいけないの?カジュアルじゃだめ?」といった疑問も含めて、七五三の服装について解説していきます。
あわせて、七五三におすすめのママコーデや小物類もご紹介していきますので、参考にしてくださいね。
七五三におすすめ!ママコーデ
それではさっそく、七五三の参拝におすすめしたいママ向けコーデをご紹介していきましょう。
年齢を気にせずに着られる、ダークトーンのドレス
「主役となる子どもを引き立てるためにも、自分の衣装はなるべく地味なものにしたい」
「年齢的にも、あんまり派手な服装は似合わないと思う」
こんな人のために、七五三の参拝にぜひおすすめしたいのがダークトーンのドレスです。
スーツ類にも多く使われているブラックやネイビーといったカラーは、派手になりすぎず上品さやフォーマルさを演出したいときに。
また、季節や年齢といった要素にも左右されず、幅広い世代、幅広いシーンで活躍する万能カラーです。
どんな色味とも相性がよく、バッグや靴のような小物を用意する上でもカラーに悩みにくくなるのも魅力。
「悩んだら、とりあえずダークトーンのドレスを用意しておけば間違いない」と言えるでしょう。
「おめでたいシーンなのに、地味になりすぎてしまわない?」と心配なときには、アクセサリーやコサージュなどの小物で華やかさをプラスしてみて。
レースやカラーでほどよく華やかさを取り入れたドレス
上品なカラー、落ち着いた印象のカラーはシンプルにさらりと着用できる一方で、「地味になりすぎてしまわないかな?」とコーデに悩んでしまうのではないでしょうか。
そんなときには、「上品だけど落ち着きも感じさせるカラーのドレス」がおすすめです。
例えばベージュは、明るい雰囲気を演出してくれる定番カラー。
より黄色が強いマスタードも、明るい印象を演出してくれますよ。
さらにほどよい抜け感を演出してくれる人気カラーが「カーキ」。
グリーンよりもシックで落ち着きを感じさせる、大人のための上品カラーです。
また、ブラックやネイビーといったダークトーンのドレスも、素材に注目してみて。
レースやシフォン、チュールのように軽さのある素材がふんだんに使われたドレスは、重い印象になりすぎず明るく華やかなイメージを演出してくれます。
また総レースのドレスは、ゴージャスなイメージでおめでたい場にぴったりですよ。
七五三では親も服装に注意が必要?
七五三の主役となるのは、言うまでもなく「七五三を迎える子ども」のため「母親や父親の服装にそこまでこだわる必要はあるの?」と考えてしまうのではないでしょうか。
そこで改めて、家族の服装になぜ注意が必要なのか確かめてみましょう。
七五三の母親や父親、祖父母の服装に明確なルールはない
結論からお伝えすると、七五三における母親や父親の服装について「こうでなければならない」という明確なルールはありません。
もちろん、格式を重視するのであれば「こちらの方がよい」という傾向はありますが、それも「必ずこうでなければならない」というものではないのです。
近年では、カジュアルな形式を好むご家族も増えており、より自由なスタイルで七五三の参拝や記念写真撮影が行われています。
「子どもが和装なら、パパとママの服装も和装で統一したほうがいいの?」と考えるかもしれませんが、これについても近年のますますの多様化を受けて、必ず和装でなければならないというものではなくなってきています。
また、インターネットで検索し、ヒットする「マナー」や「ルール」についても、地域性を踏まえるとかえって印象が悪く感じられてしまう可能性は大いにあります。
そのため、あまり形式ばって考えずに家族や親戚の意見も参考にしながら、そのときどきで適切な服装を選ぶのがよいでしょう。
とは言え、七五三において参拝する場所はお寺や神社となります。
由緒正しい環境に身を置くからこそ、「家族の同意を得ているからどんな服装でもよい」とは考えずに、その場にふさわしい服装を選ぶように心がけましょう。
ある程度フォーマルで、きちんと感のある服装や、七五三というお祝いシーンだからこそ上品で華やかな服装が好ましいでしょう。
服装は事前に決めてドレスコードを親戚内で共有しておこう
七五三の参拝およびお祝いでは、普段一緒に暮らしている母親や父親、兄弟や姉妹はもちろんのこと、「せっかくの晴れの日だから」と遠方の祖父母が集まるケースも少なくありません。
その際には、両家のご両親にもきちんと服装について確認し、シェアしておくことが大切です。
和装にするのか、洋装にするのか、洋装でもスーツなのかワンピースなのか……。
こうした細かな点も含めて共有しておかないと、それぞれにバラバラの格好で集まる可能性があります。
参拝はもちろん、集合写真を撮影するにあたっても、全員の服装がばらばらでは統一感がありません。
それどころか、片方の祖父母はスーツなどでビシッと決めているのに、もう片方の祖父母は非常にラフな格好をしている……という状態では恥をかかせてしまいますし、きちんとした服装を選んだ人も気まずいでしょう。
さらに、主役となる子どもがラフな服装で、祖父母が和装の礼装を選んだために「主役よりも格上になってしまった」というようなトラブルにもつながりかねません。
事前にきちんと相談し、打ち合わせをしておくことによって、バランスのよい服装でまとめることができるでしょう。
七五三の親の服装はフォーマルでなければいけない?
七五三における母親や父親、祖父母、兄弟姉妹といった家族の服装は、いわゆる「セミフォーマル」と呼ばれるスタイルが基本となります。
具体的には、子どもの入学式や卒業式で着用するような服装がよいでしょう。
もちろん前述の通り普段着ではなく、きれいめできちんと感のある服装であれば、比較的どんな服装でも問題ないでしょう。
子どもの服装にあわせて和装を選ぶ人もいれば、幅広いシーンで使えるスーツを選ぶ人もいます。
そのほかにも、普段使いもできそうなセットアップやワンピース、ブラウスにパンツやスカートのような服装でも構いません。
七五三でマナー違反になる服装とは?
先ほど、七五三の親や家族の服装について「比較的どんな服装でも問題ない」と記載しましたが、中には「さすがにこれはNG」というような服装も存在します。
そこで、あらかじめ七五三でマナー違反になりかねない服装についてチェックしておきましょう。
七五三には露出の多い服装は不適切
七五三の参拝において、不適切な服装のひとつとして「露出の多い服装」が挙げられます。
いくら、明確なルールや決まりのないものと言えど、神社やお寺で行われる伝統的な行事ですから最低限神様に対して失礼でない服装でなければいけません。
極端に短いスカート、ショートパンツ、キャミソール、サンダルといった露出が多く派手な服装は不適切と言えるでしょう。
暗い印象になる服装は避けて華やかに
派手な服装を避けるとなると、つい「上品で落ち着いた服装を心がけなければ」と強く意識して、結果として地味な印象になってしまうケースがあります。
せっかくの晴れの日であるのに、主役の子ども以外家族全員が全身真っ黒のコーディネートをしている……となると、まるでお通夜のようでかえって印象が悪くなってしまいます。
そのため、上品さとともにある程度の華やかさも意識してみましょう。
あまりに暗い印象の服装はよくないものの、暗いカラーのスーツやワンピースが不適切というわけではないので、バッグや靴、アクセサリーといった小物でカラーを添えて、華やかな印象のコーディネートを実現しましょう。
和装を選ぶのであれば、色やデザインに華やかさを感じさせる着物を意識して選んでみてください。
母親・父親は子どもの服装より格を下げる
母親や父親、祖父母や兄弟姉妹などのご家族は、七五三の主役となる子どもが着る服装よりも格上になってはいけないというマナーがあります。
これは、七五三ではなによりも子どもが主役だからこそ。
母親や父親、祖父母、兄弟姉妹などの服装は主役の子どもより格を下げるとともに、子どもよりも目立たない服装を選びましょう。
例えば着物やワンピースを選ぶときにも、主役となる子どもがシックな服装ならば家族はさらにカラーやデザインが控えめな服装を選んでください。
お子さんの着る服装の色味を引き立てるような色か、グレー、ネイビー、ベージュなどの落ち着いた色だと無難です。
母親・父親の服装は格をそろえる
七五三では夫婦で格を揃えた服装を選ぶことも重要です。
とはいえ、母親が和装を選んだからといって父親も必ず和装を選ばなければならないというわけではありません。
「どちらかがフォーマルで、もう一人はセミフォーマル」という状態にはならないように、和装・洋装が入り乱れてもとにかく「格」を揃えるようにしましょう。
七五三の母親の服装お悩みポイント
七五三の母親の服装を考える上では、神社へ参拝するにあたって不適切でない服装を選ばなければいけません。
細かな点も含めて、「どうしたらいい?」と悩みにつながりがちなポイントをご紹介していきましょう。
母親の服装は着物?スーツ?
七五三の母親の服装は基本的に、洋装でも和装でもどちらでも構いません。
ただし、和装は格式高い服装となります。
そのため、子どもがスーツやドレスのような洋装なのに母親が着物を着ることによって「母親のほうが主役の子どもよりも格上」という状態になりかねません。
カジュアル寄りの服装がお好みならワンピースでもOK
和装やスーツのようにかっちりとしたスタイルだけでなく、比較的カジュアルな服装もマナー違反になるわけではありません。
例えば、シャツやブラウスにパンツやスカートをあわせるスタイルや、きれいめのセットアップ、きれいめのワンピースといった比較的カジュアルなコーディネートでも構いません。
カジュアルな雰囲気の服装は着脱が楽だったり、動きやすかったりといった魅力があるため、体調なども考慮して選んでみてください。
カジュアルすぎる印象になりそうなら、華やかなブローチなどの小物をあわせてみるのもおすすめです。
七五三の服装に迷ってしまったママは「このアイテム、普段使いできるかな?」と考えながら選ぶのもよいでしょう。
とはいえ、普段はお子さんと一緒にいてストレスになりにくい、動きやすい服装を選んでいるので「きれいめスタイルは普段使いしない」という人も多いはずです。
そのときには、七五三にだけ着用するきれいめドレスをレンタルするというのも一つの手ですよ。
妊娠中のママは無理のない服装選びを心がけて
七五三の参拝のタイミングでお腹に赤ちゃんがいる場合には、なおさら服装選びに注意が必要となります。
もともと体調が安定していない場合はもちろんのこと、普段は比較的元気な人やまだそこまでお腹が大きくない人であっても、七五三では外を出歩き長時間過ごすことになるため負担の少ない服装を選ぶようにしましょう。
着物をはじめとした身体を締め付けるような服装は避けて、マタニティドレスなどゆったりとしたシルエットの服を選んでください。
特に神社は、道に高低差があったり人ごみだったり、砂利道で歩きにくかったりすることがめずらしくありません。
転ばないよう、足元はぺたんこ靴など歩きやすいものを選びましょう。
七五三の母親コーデにジャケットは必要?
フォーマルな服装というと「ジャケットを羽織るようなスタイル」とイメージする人も多いのではないでしょうか。
しかし、七五三コーデにジャケットが必須かと言えば、そんなことはありません。
そもそも七五三は、確かにフォーマルな服装がふさわしいシーンではありますが、いわゆる「冠婚葬祭」ではありません。
そのため、「この服装が望ましい」というルールがあっても、必ずしも「この服装でなければならない」というような細かなドレスコードを気にする必要はないでしょう。
七五三の母親コーデの足元は?
七五三の母親の服装に和装を選ぶときには、一般的に着物にあわせる下駄などがおすすめです。
洋装の場合には、フォーマルスタイルにマッチするパンプスを合わせましょう。
結婚式のようなフォーマルなシーンでは、ある程度ヒールのあるパンプスが好まれますが、七五三では必ずそのような靴でなければいけないわけではありません。
慣れない衣装や参拝で子どもがくずりだし、抱っこをせがまれてしまう可能性もありますから、なるべく履きやすく歩きやすい靴を選ぶとよいでしょう。
とはいえスーツやきれいめカジュアルには、スニーカーのようにラフすぎる靴は合いませんので、コーデの全体バランスを崩さないように、靴選びをしましょう。
ブラックやベージュ、ホワイトといったベーシックカラーのパンプス類なら、きれいめスタイルによくマッチしますよ。
また、パンプスにあわせるストッキングやタイツについても特別な決まりはありません。
結婚式などのシーンでは「黒のストッキングやタイツはだめ」「肌に馴染む色のストッキングでなければいけない」というマナーを聞いたことがある人もいるかもしれませんが、やはり七五三は「こうでなければいけない」というものではないため、ストッキングのカラーについても過度に派手でない範囲で自由に決めましょう。
母親のスーツやワンピースにカラーの決まりはある?
七五三の母親のスーツやワンピースのカラーについて、決まりは特にありません。
しかし参拝では神様に対して失礼と思われる服装は不適切ですから、例えば蛍光カラーのようにあまりに派手すぎるカラーは不適切と言えるでしょう。
グレーやネイビー、ホワイト、ブラック、ベージュといったカラーが定番カラーとして人気を集めています。
ブラックやグレーといったダークカラーを選ぶのであれば、できるだけ華やかさを取り入れられるよう意識してみましょう。
七五三の服装にあわせる小物は?
きちんと感が大切な七五三の服装では、小物選びが重要になります。
例えば、アクセサリーやコサージュといったアイテムは、服装をドレッシーに仕上げてくれるので、積極的に取り入れましょう。
こちらも、カジュアルすぎず上品なデザインのものを選ぶことでスーツやドレスとマッチしやすくなるでしょう。
パールをあしらったものや、ゴールドやシルバーによる華奢なシルエットのものは、高見えを叶えてくれますよ。
和装の場合はアクセサリーやコサージュはあわせられない、あわせにくいと感じるでしょう。
その分、バッグやヘアアクセサリーで華やかさをプラスしてみるのもいいかもしれません。
七五三の服装にあわせるメイクやネイルは?
七五三の服装にあわせるメイクは、上品で清潔感のあるものが望ましいでしょう。
記念写真を撮影することも考え、血色よく見せてくれるコスメを使うのもおすすめです。
あまりに濃すぎる、派手なメイクは悪目立ちしてしまう可能性があるため、ナチュラルでキレイめなメイクを心がけてください。
ネイルも同様で、あまりに派手すぎるものはなじみにくくなってしまいます。
ヌーディーカラーのワンカラーネイルや、デザインのあるものでも上品なネイルを選びましょう。
七五三の服装にあわせる髪型は?
七五三の母親の髪型は、ハーフアップやアップヘアといったまとめ髪がおすすめです。
まとめ髪は清潔感があり、きちんと見えるのはもちろんのこと、参拝にあたって礼をしたときに髪が顔にかかりにくくなります。
礼をするたびに髪が落ちてしまったり、そうならないよういちいち手で押さえたりするのは不恰好ですから、きちんとまとめておきたいものです。
和装なら、うなじが出るようなアップスタイルがおすすめです。
着物はうなじが美しく見えるのが魅力のスタイルですから、ロングヘアの人もうなじを見せるセットをしましょう。
母親が七五三で着物を着用するときのポイント
七五三は、母親も着物を着るチャンスですので、普段、着物を着る機会が限られている人もこの機会に和装にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
そのとき、意識したい和装のマナーやポイントを解説していきましょう。
母親が着物を着るか否かは子どもの服装で決める
母親が着物を着れるかどうかは、主役となる子どもの服装によって変わります。
子どもが着物を着用するのであれば、両親が着物を着ても構いません。
ところが子どもがスーツやドレスのような洋服ならば、両親も着物はやめて洋服を選びましょう。
また、着物の種類を選ぶにあたっても子どもが着ているものよりも格下の着物を選ぶように意識してください。
七五三で母親が着るのにおすすめの着物
七五三では、例えば訪問着のような着物がおすすめです。
訪問着は非常に華やかなカラーやデザインのものが多く、お子さんが主役の七五三にはぴったりのフォーマルな和装です。
七五三のようなおめでたいシーンにも馴染んでくれるでしょう。
カラーは派手すぎず明るいものを選び、縁起の良い柄が入っているデザインならなおよいですね。
訪問着以外では、付け下げを選ぶのもおすすめです。
付け下げは柄の入った着物ではありますが、訪問着に比べると柄が抑えてあります。
華やかさの中に落ち着いた雰囲気も演出できる、印象的な着物です。
さらに控えめな印象にしたいのであれば、色無地も七五三におすすめです。
白地や黒地以外のカラーを用いた無地の着物のことであり、柄がない分派手すぎないのが魅力です。
七五三のシーンでも、主役となる子どもを存分に引き立てることができるでしょう。
できるだけ明るめのカラーを選ぶことによって、よりおめでたい雰囲気に仕上がります。
母親だけじゃない!父親・祖父母・兄弟姉妹もチェックしたい七五三の服装
七五三の参拝には、母親だけでなく父親・祖父母・兄弟姉妹が参加することもあるのではないでしょうか。
ここからは、母親だけでなく家族の服装についても解説していきましょう。
父親の服装は?
七五三における父親の服装は、前述の通り母親の服装と格を揃える必要があります。
もちろん「主役の子どもよりも格を下げる」ということも意識した上で、母親の服装に比べて派手すぎる、あるいは地味すぎることがないように注意しましょう。
もっとも一般的な服装と言えるのがスーツスタイルです。
ツーピース、スリーピースなどのスーツに、明るいカラーのシャツやネクタイをあわせれば問題ありません。
デザインも比較的自由で、奇抜すぎなければストライプスーツなどでもよいでしょう。
ビジネススーツでも構いませんが、おめでたいシーンですから普段のお仕事スタイルと同じようにならないよう注意しましょう。
きちんとクリーニングに出してきれいな状態にしておくのはもちろんのこと、ポケットチーフを取り入れるなど華やかさや遊び心を取り入れてみるとよいでしょう。
ポケットチーフはネクタイやシャツのカラーとあわせてコーデすることによって、よりまとまりのあるコーデを実現できますよ。
子どもや母親が格式高い和装なのであれば、黒のフォーマルスーツでも構いません。
一般的に黒のフォーマルスーツは格式高い礼装とされますが、和装に合わせるのなら問題ありませんよ。
七五三で父親が和装を着るのもあり?
子どもや母親が着物で揃えているのであれば、父親も和装でも構いません。
父親の場合、和装のフォーマルスタイルにあたるのは羽織袴です。
袴は比較的ゆったりと着られるので、体型を選ぶことなく着用できます。
普段なかなか着る機会がない、着たことがないという人もいるかもしれませんが、だからこそ非日常感を演出できますよ。
男性の着物では、グレーやネイビーといった落ち着いたカラーが人気です。
年齢を重ねるほど、渋いかっこよさを演出できるでしょう。
父親におすすめの七五三の服装とポイント
七五三の父親の服装では、母親と同じく「主役の座を奪ってはならないけれど、地味すぎてもいけない」という点を意識しましょう。
「落ち着いた上品なデザインを……」と考えたからといって、葬儀など弔辞を思わせてしまうほど暗い雰囲気のものは不適切です。
スーツならベストのあるものや、デザインに遊び心のあるものを意識的に選ぶとよいでしょう。
合わせるベルトは、バックルが目立ちすぎないものを選ぶと好印象です。
足元は、レザーの靴を合わせます。
ブラックやダークブラウンのような落ち着いたカラーは、かっちりとまとめたいときにも活躍しますよ。
髪は女性と同様に礼をしたときに顔にかからないよう、あらかじめ短めに整えるかセットしておくとよいでしょう。
ひげについてはあっても問題ありませんが、いわゆる無精ひげではあまりよい印象と言えません。
きれいに剃っておくか、ある程度整えておきましょう。
祖父母の服装は?
七五三での祖父母の服装ルールは、基本的に両親のルールと変わりません。
例えば両親がスーツなのであれば、同じようにスーツを着用するとよいでしょう。
もしくは、ジャケットなどを取り入れた、ビジネスカジュアルに該当するきれいめのカジュアルスタイルでも構いません。
子どもや両親が和装を選ぶのであれば、祖父母も和装で統一するのもいいですよね。
その場合は祖母なら訪問着、色無地、付け下げなどの着物、祖父なら紋なし羽織袴を選んでください。
兄弟・姉妹の服装は?
主役は七五三を迎える子ですが、そのお兄ちゃんやお姉ちゃん、弟妹も、せっかくなら普段通りの服装ではなくお祝いにぴったりの華やかなスタイルを選びたいものですよね。
子ども用のスーツやドレスを用意してみたり、よりカジュアルな服装でもいわゆるお出かけ服のような、ポロシャツにパンツ、ブラウスにスカート、ワンピースといったスタイルが最適です。
あまりにカジュアルすぎると特別な日の「らしさ」がなくなってしまいますので、結婚式や入学式で着られるような服装をイメージするとよいでしょう。
もちろん、主役の子よりは控えめな服装にしてくださいね。
制服がある学校に通っている兄弟・姉妹であれば、制服でも構いません。
靴は基本的には履き慣れたものでいいのですが、記念写真を撮影するときは靴まで写るため、ローファーのようにかっちりとした靴を選びましょう。
七五三で本人だけじゃなく兄弟・姉妹も着物を着るのはあり?
七五三では、本人だけでなく兄弟・姉妹も和装を着ても構いません。
そんな中でも、男の子であれば「5歳以上」もしくは「5歳未満」で着物が変わります。
5歳以上の男の子は、父親や祖父などの大人と同じように紋付羽織袴がフォーマルな服装となります。
それに対し、4歳までの男の子はまだ袴を着ることができません。
こうしたルールには、まさに「七五三」が関係しています。
男の子は七五三に「袴着の儀」を行い、この儀式をもって袴を着ることができるようになります。
七五三のお祝いを迎えていない子どもは、まだ袴を着ることができないのです。
ただし、3歳のときに七五三のお祝いをしているケースでは、4歳で袴を着ても問題ありませんよ。
同様に、女の子の場合にも「7歳以上」か「7歳未満」かで着るものが変わってきます。
7歳以上なら、一般的な着物に帯というスタイルで問題ありませんよ。
しかし7歳未満で七五三のお祝いをしていないのなら、よりカジュアルな服装にしましょう。
子ども向けの着物は種類が限られており、着物を着て被布を羽織ります。
七五三の家族写真を撮影するときの服装とマナー
七五三では、神社などへの参拝だけをしてすぐに解散するのではなく、大切な時間をしっかり形に残すべく家族で記念写真を撮影することが多い傾向にあります。
その際にも、服装には十分に注意しましょう。
七五三の家族写真は親も着物を着るべき?
家族写真を撮影するにあたっても、七五三の参拝と同様に基本的には決まりがありません。
子どもも和装なので親もあわせて和装をしたい……ということであれば、もちろん和装であわせても構いませんよ。
子ども、両親、祖父母や兄弟姉妹と着物で揃えた記念写真は、なかなか撮影する機会が限られますから一度記念に撮ってみるのもいいでしょう。
フォトスタジオによっては、主役となる子どもだけでなく兄弟姉妹の着物もレンタルできる場合がありますので、相談してみるのもおすすめです。
七五三の家族写真はカジュアルな服装でもOK?
神社やお寺に参拝するときには、前述のように服装マナーにも十分気をつけなければいけません。
一方で、記念写真の撮影はよりカジュアルな服装でも問題ありません。
神社などを参拝をしたあとに、家族や親族が集まってお祝いの食事会をすることもあるでしょう。
そのときに、楽な格好で食事に集中できるよう服を着替えることもあるかもしれません。
せっかくなら、そのときに子ども、両親、両家の祖父母、兄弟姉妹とみんなで統一感のあるファッションに着替えて、先に記念写真を撮影するというのもよいでしょう。
近年、SNSを見ていても家族でお揃いコーデをしたり、子どもの好きなカラーや柄をコンセプトにしたスタイルをしたり、バルーンやぬいぐるみなどの小物を取り入れたりと、趣向を凝らした楽しそうな家族写真を目にすることができます。
オリジナリティ溢れる七五三のお祝いは、大切な思い出として子どもが大きくなってからも残っていくでしょう。
七五三の記念写真だからといって必ずしもかっちりとしたフォーマルスタイルでなければならないわけではありませんから、自分たちらしいカジュアルスタイルでお揃いコーデを楽しむのもいいかもしれませんね。
七五三の記念写真でカジュアルコーデをするメリット
参拝中の服装は、どうしてもある程度フォーマルな雰囲気を求められます。
しかし、ママやパパのいつもと違った服装をしていたり、自分も慣れない服装で何気ない所作も難しい……となると、子どもは緊張してしまうものです。
そうすると、せっかく記念写真を撮影しようとしても表情が固くなってしまったり、場合によっては子どもが泣き出したりしてしまうかもしれません。
もちろんそうした表情も含めて思い出になりますが、せっかくの記念の一枚ですから、みんな晴れやかな表情のものを撮りたいのではないでしょうか。
着なれたお気に入りの服装をメインにしたカジュアルコーデなら、自然な一枚を演出できますよ。
いずれ子どもが大きくなってから見直したときにも「あの頃、この服が好きでよく着ていたよね」というように思い出に残りやすいのもポイントです。
七五三の記念写真を撮影するときにおすすめの工夫
近年、いわゆる「写真館で撮影する家族写真」というような重厚なイメージの写真だけでなく「ポップで自分たちらしい写真を、プロに撮影してもらう」という家族写真も増えてきています。
そのときは、家族で話し合ってユニークな工夫を取り入れてみましょう。
例えば、コーデを決めるときに共通のアイテムを決めて、揃えるのもひとつの手。
全員でサスペンダーコーデにしたり、ピンクコーデにしたり、どこかにワンポイントで水玉模様を取り入れたり……。
リンクコーデと呼ばれるテクニックによって、統一感のあるスタイルを実現できるでしょう。
スタジオや七五三の参拝先など撮影場所選びにもこだわって
七五三の写真は、フォトスタジオで撮影するケースや、参拝する神社の境内で撮影するケースがあります。
ロケーション撮影と呼ばれる、スタジオ外での撮影も場合によっては受け付けてくれるかもしれません。
ただし、七五三シーズンの神社はとても混み合います。
そのため人も多く、思うように撮影ができないかもしれません。
七五三シーズンには参拝だけを行い、記念写真の撮影は比較的空いている時期に行うのもよいでしょう。
神社仏閣で七五三の記念写真を撮影する際の注意点
神社仏閣でロケーション撮影をするときには、注意しなければならないこともさまざまあります。
まず大事なのが、事前に撮影許可をとるということです。
歴史のある建造物であればなおのこと、由緒正しいしきたりがあるケースがめずらしくありません。
その場合、撮影にまつわるルールが細かくあり「境内での写真撮影禁止」となっている場合があります。
フォトスタジオに連絡し、カメラマンを用意した上で「実は写真撮影ができない」とあれば、カメラマンにも迷惑をかけてしまいます。
事前に電話で問い合わせるなど必ず確認して、問題がないか確かめておきましょう。
七五三の参拝と写真撮影は別日でもOK
七五三の参拝は、子どもにとって喜ばしい場というだけでなく「疲れてしまう場」かもしれません。
たくさん歩き回ったり、慣れない靴で靴擦れをしたり、装飾品をなくしてしまったり……。
さらに主役の子どもだけでなく、両親や祖父母、兄弟姉妹の体調に変化があるなど、色々なトラブルが考えられます。
子どもがぐずっていたり、着物が着崩れてしまったりといった状態で無理に記念写真を撮影する必要はありません。
「子どもは疲れてぐずってしまいそう」と想像できるなら、別日に改めて記念写真の撮影日をもうけるなど、柔軟な対応を心がけてください。
七五三当日に注意したい!基本マナーとアドバイス
七五三当日を迎えるにあたっては、注意すべきポイントがさまざまあります。
子どもも慣れないスタイルで機嫌が悪くなったり、スムーズに進行できなかったりする可能性がありますから、これからご紹介するポイントを確認しながら準備しておきましょう。
七五三の参拝はいつ行う?
七五三のお祝いは、女の子であれば3歳と7歳、男の子であれば5歳に行うのが一般的です。
年齢は「数え」でも「満年齢」でも問題ないとされています。
例えば「毎年七五三のお祝いをするのは大変だから、姉と弟でいっしょに七五三のお祝いをしたい。姉は数え年、弟は満年齢でお祝いしよう」というのも、問題ありません。
伝統的には、七五三は「11月15日」がお祝いの日とされています。
しかし、必ずこの日にお祝いをしなければならないというわけではありません。
お祝いや参拝は、だいたい9月~12月頃に行われることが多いようです。
11月の土日は非常に混み合うので、その時期を避けてなるべく早く参拝をする人もいます。
七五三の参拝はどこで行う?
七五三は、神社やお寺での御祈祷を行ったり、お参りをしたりします。
その際の神社は、近所の神社などで構いません。
親御さんが子どものころにお世話になった神社のように、思い入れのある神社でもよいでしょう。
七五三の参拝にはいくらかかる?
七五三の参拝の際には、初穂料と呼ばれるご祈祷にかかるお金があります。
初穂料は、神社によって金額が違います。
中には、具体的な金額が決まっておらず「気持ち程度で構いません」と言われる場合もあります。
おおむね、相場金額は5,000円~10,000円程度となります。
これはあくまで一人分の金額ですから、子ども二人でお願いする際には二倍、三人でお願いする際には三倍の金額をお渡ししましょう。
七五三は参拝以外になにを行う?
七五三では参拝のほか、前述のように記念写真を撮影したり、お食事会をしたりすることもあります。
七五三シーズンはフォトスタジオも混み合う時期ですので、なるべく早めに予約をしておくことをおすすめします。
また、お食事会は新型コロナウイルスの影響を懸念して省略する場合もあります。
しかし遠方からわざわざ来てくれた親族がいる場合には、せっかくならお食事をしたいという話になる可能性も高いため、事前に話し合っておくとよいでしょう。
お食事会をするのであれば、個室のあるレストランや料亭をあらかじめ予約しておくことをおすすめします。
子どもにとって慣れないこと続きの七五三は、お腹がすいてぐずったりする可能性もあるため、人目を気にせずに済む環境を用意しておくと安心です。
お食事会は、自宅で行われる場合もあります。
ホームパーティーのような形式なら肩ひじはらず、家族も子どもものびのびできるのが魅力でしょう。
ただし「祖父母を自宅に招待する」「料理や掃除の手間がかかる」ということがかえってストレスになる可能性もあるため、よく考えながら計画を立てましょう。
七五三の子どもの服装は?
七五三の主役となる子どもの服装についても、基本的には和装、洋装どちらでも問題ありません。
その中でも、やはり普段あまり着る機会がないからこそせっかくなら着物を選ぶご家庭は多いようです。
3歳の女の子なら被布というベスト状の上着を羽織った服装、5歳の男の子は袴、7歳の女の子は大人と同じスタイルの着物が一般的です。
洋装であればドレスやタキシードが、特別な雰囲気を演出できて人気です。
七五三の参拝前に準備したい持ち物リスト
七五三の参拝へ行く前に、持ち物をしっかり準備しておきましょう。
- スマホ
- 財布
- ハンカチ、ウェットティッシュ(衣装の汚れなどもさっと拭けるように用意)
- 暑さ対策グッズ(着物は暑いので、秋と言えど汗をかく可能性が)
- 水筒やペットボトル(暑さの中で、水分不足にならないよう補給を。ストロータイプだとなお◎)
- 口紅(着付けやメイクをしたあと、撮影までに取れてしまうこともあるのでメイク直し用に)
子ども用の歩き慣れた靴を携帯しておこう
忘れてはいけないのが、歩き慣れた靴や靴下です。
長い時間、足袋や下駄を履いた状態ではストレスもたまってしまうもの。
子どもには耐えきれないこともあるでしょう。
写真撮影などの大事なシーン以外では履き替えられるように準備しておきましょう。
子どものご機嫌取りアイテムは服装を汚さずに済むものを用意しよう
七五三の参拝や記念写真撮影で、ぐずったりお腹をすかせてしまうこともあるため、おやつなどのご機嫌取りグッズも必須です。
しかし、神社の出店で売られているわたがしやリンゴ飴を購入したことで、顔や手だけでなく着物までベタベタになってしまう可能性があります。
そのため、あめ、グミ、ラムネのような、簡単に食べられるものだとよりよいですね。
七五三のママの服装はレンタルが便利!
フォーマルスーツやドレスは着る機会がなかなか少ないもの。
若いときに持っていたスーツなどは、体型やトレンドが変わっていて実は使いにくかったりします。
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【まとめ】七五三の母親の服装は家族とも相談しながら、上品なアイテムでまとめよう
七五三は、神社で行われる昔ながらの行事です。
そのため、服装についてもある程度派手すぎない、上品でフォーマルな印象のものがおすすめです。
しかし冠婚葬祭ではないからこそ、服装についての明確な決まりはありません。
「せっかくだから和装を楽しみたい!」というのも、「かわいいドレスやスーツを着せたい!」というのも、「自分たちらしいカジュアルスタイルでまとめたい」というのも間違いではありませんよ。
必ずこうでなければいけない!とは考えず、体調を考慮しながらストレスなく過ごせる服装を心がけましょう。
おめでたい時間を心から楽しむため、家族で統一感のある印象的なトータルコーディネートを楽しんでみてくださいね。